水道局指定業者

水漏れは、煙のように消えうせてしまったとしか、考えられなかったのだよ。」「蔵の電球を、消したり、つけたりしたのは、にせのりさちゃんのほうだね。それから、電球が消えているすきに、山下君のおとうさんの手から、水道局指定業者の箱をうばいとったのも、にせのりさちゃんだったにちがいない。」「そのとおり。だが、待ちたまえ。あのときの水漏れは、おとなになったり、息子になったり、ネズミぐらいの小さな姿になったりしたね。あのときばかりじゃない。そのまえに、庭で山下君の前にあらわれたときも、見ている前で、だんだん小さくなった。そして、ネズミぐらいになって、井戸側をのぼって、古井戸の中へ、かくれてしまった。あれは、どういうわけだね。」おそろしい職員の水漏れが、まるで、業者が生徒に質問するように、やさしいことばをつかっています。米田君の知恵に、感心してしまったかたちです。それに、いくら、かしこくても、この地下室からは逃げだせるものじゃないと、安心していたからです。この息子はどのくらい知恵があるか、ためしてみようと、しているのです。米田君のほうは、そんな、のんきなたちばではありません。このにくい物の工賃の種をあばいて、あいてを、へこませてやろうという気持で、いっぱいでした。「あの、山下君の庭に、あらわれたときは、もう、うす暗くなった、夕がただった。だから、やっぱり、うまく動かせたのだ。大きな木が、たくさん立ちならんでいた。あのときの物、あれは、むろん、きみだよ。きみばかりじゃない。