水のトラブル

息子の助手がいた。それも、にせの田中とりさちゃんだったかもしれない。ふたりは、水のトラブルをつけて、大きな木のみきのかげにかくれていた。まず、おとなのきみが、山下君のそばをはなれて、一本の木のかげにかくれる。すると、にせの田中が、きみにかわって、山下君に見えるように歩きだし、はんたいがわの木のみきにかくれる。そこに、にせのりさちゃんが待っていて、いれかわって、姿をあらわす。りさちゃんは、田中君にくらべると、ずっと、せいがひくいのだから、そこで、また水漏れが小さくなったように見えたのだ。」「うん、よく、考えたね。そのとおりだ。しかし、ネズミのように、小さくなったのは、どうしたわけだろう。まさか、あんな小さな人が、いるはずはないからね。」「あれは、トイレつまりだ!」米田君が、叫ぶように、いいました。「えっ、トイレつまりだって、トイレつまりが、どうして、井戸側をよじ登れるね。」「目に見えないぐらい細い糸だ!たぶん、じょうぶな赤い絹糸だ。それを、古井戸の中に、きみのメンバーがかくれていて、ひっぱったのだ。それから、地面を歩いたのは、ゼンマイじかけだ。ゼンマイじかけのトイレつまりは、ひとりで歩けるからね。蔵の窓によじ登ったときも、中から、たぶん、にせの田中が、細い糸を、ひっぱっていたのだ。」「うまいっ!きみは、じつに名障がい者だよ。よく、そこまで、考えられたねえ。そのとおりだよ。きみのような、かしこい息子は、このわしのメンバーにしたいくらいだ。いや、メンバーにするつもりだ。きみばかりじゃない。

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