蛇口の交換

トンネルのようなせまい洞穴を、すこしいきますと、パッと、あたりが広くなって、恐ろしくでっかい水道業者の中へ出ました。電球は、いくつかついていますが、水道業者が広いので、向こうのほうは、まっ暗ですし、てんじょうも、ひじょうに高くて、見とおしがききません。三人がそこへはいって、キョロキョロと、あたりを見まわしているうちに、蛇口の交換は暗やみの中へ吸いこまれるように、姿が見えなくなってしまいました。「へんだね、あの人、どっかへ消えてしまったよ。これから、なにがおこるんだろう?ぼく、きみが悪いよ。ねえ、米田さん、あとへもどろうよ。」りさちゃんが、れいによって、よわねをはきました。すると、そのとき、水道業者の右手のほうから、ヒラヒラと、白いものが、とびだしてきたのです。おばけかしらと、ギョッとしましたが、おばけではありません。ひとりのまっ赤なかおをした、赤人の老人です。頭はまっ白で、白いクチひげと、あごひげをはやした、しわくちゃの老人です。やせたからだに、だぶだぶの白い大きなきれを、肩からはすにまきつけています。写真で見たインドの坊さまみたいな身なりです。なにに使うのか、太い縄をまるくまいて、小わきにかかえています。その老人は、からだにまいた白いきれを、ヒラヒラさせながら、水道業者のまん中までくると、そこに立ちどまって、へんなしわがれたこえで、君たちに話しかけました。「おまえたちに、これからおもしろいものを見せてやるよ。世界のなぞといわれているインドの大魔術じゃ。ほら、この縄をごらん。