水道修理

まるで、サルのように、まっすぐの縄を、上の方へ登っていくのです。そのとき、またもや、右手のやみの中から、ぱっと、みょうなものが、とびだしてきました。バラバラ君それはやっぱり、白い大きなきれでからだをつつんだ、まっ赤な男でした。さっきの水道修理ではありません。三十ぐらいの力の強そうな男です。手にはピカピカ光る恐ろしく幅のひろい刀を持っています。むかし中助成金に、青竜刀という恐ろしい刀がありましたが、あれとそっくりです。刀のことを、ダンビラといいますが、これは牛でも殺すような大ダンビラです。その男は、まっ赤な中に、目ばかり白くギョロギョロさせた、恐ろしいかおをしていました。ひとことも、クチをききません。三人の君のほうを、ふりむきもしません。うらみにもえる白い目で、縄を登っていく息子を、ぐっと、にらみあげているのです。男の手が、縄にかかりました。大ダンビラをクチにくわえ、両手で縄にすがると、そのまま、息子のあとを追って、登りはじめました。「キャーッ。」上の方から、悲鳴がきこえました。もう五メートルも、縄を登った息子が、大ダンビラの男を見て、あまりの恐ろしさに、死にものぐるいのこえで、叫んだのです。そして、にわかに手足をはやめて、逃げるように、縄を登るのでした。しかし縄は、水道業者のてんじょうで、いきどまりになっています。そこへ、追いつめられたら、もう、どうすることもできないではありませんか。大ダンビラをクチにくわえた男は、息子のあとから、ゆうゆうと登っていきます。いくら逃げたって、だめなことを、ちゃんと知っているのでしょう。